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2017年7月28日金曜日

2017年7月28日

みなさま、誕生日メッセありがとうございました。もう、こうなったら長生きだけが楽しみですww。

ということで、本日、南フランス、ラック・ダンデロンを発って、ミュンヘン経由でザルツブルグに午後にロックオン。そう、今回の旅行のハイライト、ザルツブルグ音楽祭にて、クルレンティス指揮のモーツァルトのオペラ『皇帝ティートの慈悲』の初日だったのです。

キャンセル待ちでケットした席は、前から三列目の下手側という奇跡の良席。タクトを振るクルレンティスの表情がバッチリ解るんですよ。

いやー、結論を言いますと、本当にマジで凄い舞台でした。わたくし今までオペラで落涙することはなかったのですが、今回はティートの死の床でのセストとの掛け合いで目頭が熱くなった。

この曲、『魔笛』とともにモーツァルトの最後のオペラですが、当時すでに時代遅れになりつつあったオペラセリアの手法で描かれていて、皇帝の友人で長いアリアが見所のセストとアンニオがメゾソブラノつまり女性。

ということは舞台上の恋愛関係は女性同士。皇帝との確執も男男のマスキュランではなく男女で観客に届くところがミソ。もう、これだけでもの凄く現代的。しかも、奇をてらっているわけではなく、オベラセリアの伝統ですから、この楽曲をビックアップしたクルレンティス凄い。しかも、チェンバロ二台をはじめとして大量に古楽器を持ち込み、自分のバンド、いや違ったオケであるムジカエテルナで演奏するというシステムは、クルレンティス、勝ちに行ってるな!!  と思いましたぜ。

ちなみに、この曲のモーツァルト「魔笛」のごとくの美メロ無しで単調の地味系。しかし、今回の古楽器の大量使用によって、音響的に素晴らしいシロモノになっている。これ、拙書『クラブカルチャー』(毎日新聞出版局)からの引用だと、21世紀以降の音楽は音響と音圧の時代になる、ということの証左でもあるのです。逆を言えば、その角度でもイケるモーツァルトって「なんじゃあこりゃ」ですわ。

で、この舞台、設定が現代のテロ、欧米の移民問題をガンガン演出に生かしている点も凄い。そもそも、これ皇帝の暗殺未遂の話ですから、皇帝の友人セストがテロリストに変化してしまう様は、「人間は、ローマ時代と変わっていないのだ」という古典の基本を最大限、喚び生けているんですね。

そういう意味でこれ、見事にオペラの再生になっているのです。湯山の目頭を熱くさせたという「裏切りよりも慈悲が強い」という皇帝の独唱は、非寛容に傾く全世界に対しての芸術からの強いメッセージ。それが、本質的なところでこちらの胸に響いたわけで、これ、現代オベラとしては最大級の成果でしょう。

写真は珍道中をご一緒している、鬼久保さん、テレ朝の『題名のない音楽会』のプロデューサーを長きに渡って担当している凄い人。

 






でですね。今回のオペラ『皇帝ティートの慈悲』by指揮クルレンティスは、初日だったのです。それでもって、わたくしザルツブルグ音楽祭のオベラの初日、という特別日の観客のみなさんの凄さに本当に腰を抜かしました。

凄いのよ! ドレスアップが!!!  オベラ座のそれはウィーンやパリなんかで知っているのですが、そのロングドレス率の高さと来たら!!

50歳以上のおばさまたちの着こなしは本当に凄くて、日本の黒紋付き友禅を羽織り物コートでお召しになったり、全身がグレーのチュールレーススパンコールのドレスは、肌が所々透けて見えてセクシーダイナマイトだったり、ラルフ・ローレンならば号泣しただろう、白のデザインブラウスにロングタイトの出で立ちだったり、お腹いっぱい。

凄いのは女性よりも男性かも知れない。まー、タキシードとそのパリエーションの嵐なのですが、超カッコいい。たまにノーネクタイの人もいるのですが、そういう人は「実存主義やってました」系の知性のある着こなし。で、最大限着飾ったドレス女性とガッツリカップルタッグを組んでいるところもミソ。

ふだん日本でサラリーマン親父を見慣れている目には、このあまりの差に愕然としますよね。あら、カッコいい東洋人オヤジがいるな、と思ったら彼らは中国人。まあ、ユーラシア大陸の住民だし、ドレスアップ文化に冠しては上海でも感じることがあるのでさもありなん、というか。

ザルツの夏は寒いので、毛皮も登場。もー、こうなったら、本日のウィーンフィル、ドレス買いで挑む勢い(今は、の話ですが)。


 

 

 
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