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2018年1月29日月曜日

2018年1月29日

なんと、爆クラ! 2/15(木)は、NHK交響楽団首席指揮者、現在世界で大活躍中のバーヴォ・ヤルヴィ氏がゲストで来てくれることとなりました。
テーマは、今年生誕100周年で再注目されている、レナード・バーンスタイン!!  お馴染み、ウェスタサイドストーリーの大魅力、聖と俗の同居、という、その作品の現代性などにも触れていきます。

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2/15(木)爆クラ!<第67夜> 「指揮者パーヴォ・ヤルヴィと語る、バーンスタイン・ラヴ!!!」

クラシック音楽の新しい聴き方を提案する、ポストクラブ時代のトーク&リスニングイベント爆クラ! なんと、NHK交響楽団の首席指揮者、パーヴォ·ヤルヴィ氏がゲスト登場です。

予約はこちら↓
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パリ管弦楽団の音楽監督を歴任、ベルリン·フィル、ウィーン·フィル等欧米の名門オーケストラへの客演を重ね、今最も旬な(野球でいうならば、イチローを完封した頃の松坂投手)指揮者であるパーヴォ氏。

現在、NHK交響楽団の首席指揮者として、バーンスタイン生誕100年目に試みるのは、バーンスタイン作曲、ミュージカル、『ウェスト·サイド·ストーリー』<演奏会形式>~シンフォニー·コンサート版~(3月4日と6日にBunkamuraオーチャードホールにて披露)。そう、作曲家自身の手で編曲された『シンフォニック·ダンス』ではない、というのがミソ。

バーンスタインはカラヤンと並ぶ巨匠指揮者ですが、作曲家としてもとんでもない才能の持ち主でした。それはもう、『トゥナイト』をはじめとして、ポップス界のスタンードチューンを何曲も生んだWSS(ウェスト·サイド·ストーリー)の結果を見ても明らか、しかし、案外と(というか思った通り)クラシック界の反応は冷ややかで、本人もそれが悩みで、WSSを遠ざけたという話はつとに有名です。

「どこまでがクラシック音楽なの?」とこれ、DJ/ 音楽プロデューサー大沢伸一さんが前回の爆クラ! で発した問いでした。バーンスタインは、クラシック音楽と大衆音楽の狭間で悩みましたが、今回、あえてプロードウェイ·スコアに挑む、クラシックど真ん中の俊才に、そこのところを是非聞いてみたい。(我が父·湯山昭というこれまた、キャッチーなメロディと和声センスに溢れたが故にそのアンビバレンツはよく知っているわけでして)

実はわたくし湯山は、この年越しにベルリンに出向き、バーンスタイン楽曲と現実のオケとの衝撃とも言える現場を経験してしまいました。それは、サイモン·ラトルが指揮する大晦日のベルリン·フィル、ジルベスターコンサートでの出来事。もうもうとてつもない音楽境地を見せつけてくれた彼らが、どうにもバーンスタインの『オン·ザ·タウンより3つのダンスエピソード』など2曲に関しては「駄目」だったんですよ(マジで)。その原因は曲全篇に存在するはずのジャズのグルーヴ感の欠如、いわゆるノリの悪さ。そう、ジャズの技法とリズム感ありきのバーンスタインの作品は実は、クラシックのオーケストラの最大難曲なのではないか❓!

ジャズだけでなく、テクノワールドミュージック、ありとあらゆる音楽の音響、そして、特にビート、グルーヴ感についてについてグルメになっている私たち現代人の耳と、オーケストラの音のセンスはどう変化し、また変化しない、のか❓! というあたりも、今回、パーヴォ氏と深掘りしていきたいと思います。

あっ、もちろん、 パーヴォ 氏が「尊敬するのは父(名指揮者ネーメ·ヤルヴィ)ともうひとりがバーンスタイン」と最大リスペクトを傾ける パーヴォ 氏が、直接のその指導から感じた天才の素顔、指揮法の極意はもちろん、知りたいところのひとつでございます。


湯山玲子
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爆クラ!<第67夜> 「指揮者パーヴォ・ヤルヴィと語る、バーンスタイン・ラヴ!!!」

2月15日(木)

door open 19;15�start 20:00
場所 : 晴れたら空に豆まいて【東急東横線代官山駅正面口徒歩2分/東京都渋谷区代官山町20-20 モンシェリー代官山B2 T. 03 5456 8880 F. 03 5456 8881】
http://mameromantic.com/?cat=6
前売り 4000円 / 当日 4500円 + 1D 600円�学生 前売り 2000円 / 学生 当日 2500円 +1D 600円

■ 入場は整理番号順
■ 要別途1ドリンク代金600円
■ 会場は畳敷き(椅子席あり)

メールでのご予約
電話でのご予約
予約はこちらから
http://mameromantic.com/?p=56629


ゲスト
パーヴォ·ヤルヴィ
エストニア出身。 父 は 名 指 揮 者 ネ ー メ· ヤ ル ヴ ィ 。生地 タ リ ン の 音 楽学校で指揮と打楽器を学んだ後、渡米してカーティス音楽院で研鑽を積み、ロサンゼルス·フィルハーモニッ クの指揮者コースではレナード·バーンスタインにも師事した。シンシナティ交響楽団音楽監督(現桂冠音楽監督)、hr交響楽団(フランクフルト放送交響楽団)首席指揮者(現桂冠指揮者) 、パリ管弦楽団音楽監督などを歴任。、ドイツ·カンマーフィルハーモニー管弦楽団芸術監督、エストニア国立交響楽団の芸 術顧問を兼任、エストニア南海岸で毎年7月に開催されるパルヌ音楽祭とヤルヴィ·アカデミーの芸術顧問も務 めている。また、ベルリン·フィルハーモニー管弦楽団、ウィーン·フィルハーモニー管弦楽団、ロイヤル·コンセルト ヘボウ管弦楽団をはじめとする欧米の名門オーケストラへの客演を重ねるなど、現代を代表する指揮者として世 界を股にかけて活躍している。2 0 1 5 年 9 月 に NHK交響楽団響 の 首 席 指 揮 者 に 就 任


主宰·ナビゲーター
湯山玲子
ゆやまれいこ
著述家、プロデューサー。現場主義をモットーに、クラブカルチャー、映画、音楽、食、ファッション等、博覧強記にセンスが加わった独特の視点にはファンが多い。 NHK『ごごナマ』、MXテレビ『ばらいろダンディー』レギュラー、TBS『情報7daysニュースキャスター』などにコメンテーターとしても出演。著作に『女ひとり寿司』 ( 幻冬舍文庫 ) 、 『クラブカルチャー ! 』( 毎日新聞出版局 ) 『女装する女』 ( 新潮新書) 、『四十路越え ! 』( 角川文庫 ) 、上野千鶴子との対談集「快楽上等 ! 3.11 以降の生き方」 ( 幻冬舎) 。『文化系女子という生き方』 ( 大和書房)、『男をこじらせる前に』(kadikawa文庫) 等。ク日本大学藝術学部文芸学科非常勤講師。(有)ホウ71取締約。クラシック音楽の新しい聴き方を提案する爆クラ! 主宰。父は作曲家の湯山昭。
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2018年1月28日日曜日

2018年1月28日

和田アキ子さん、芸能生活50周年ということで、各年代のグラミー賞受賞曲をカヴァーしたアルバム、WADASOUL COVERS ~Award Songs Collection2018がこの度リリースされたが、一曲目『Up Town Fnk』を聴いてびっくり返ってしまったわたくし。和田アキ子さん、歌のうまさには定評がある方だが、こういう、歌の解釈、いや作曲者さえ考えていなかったようなニュアンスを引き出せる人だっとは!!!

この曲、現在、ファンクのエヴァンジェリスタ的存在マーク・ロンソン、ブルーノ・マーズがヒットさせ、すでにいろんなカヴァーが存在するのですが、どれも、ホットで跳ねるアッパービートの元気系。つまり歌詞においては滑舌のいいソリッドな表現がキモとされているのですが、ここでの和田姐さんはダンサブルなバックトラックを尻目に、その熱気はサウナ後の冷水浴並の温度感。

リズムにちょっと遅れる後(あと)ノリでクールに歌い、この元気な若者曲から、それこそ、デルタ・ブルース級の暗い憂鬱感を匂わせているんですよ。(Uptown 歌詞にJackson, Mississippiとあるから、隠喩もバッチリなんですわ)「ハレルヤ」という歌詞のちょっと粘らせた発音など、そういった、彼女のフィーリングが呼び寄せた仕掛けの数々の細かいことといったら!!!

でもって、土曜日の夜、八王子オリンパスホールにコンサートを聴きに行ったのですが、圧巻は何と言っても『あの鐘を鳴らすのはあなた』でしたね。彼女のトークで知ってのですが、この曲、デビュー直後に売れちゃってもんで、持ち曲が少なくてコンサートでは洋楽カヴァーばかりを歌わざるをえなかった彼女に、「それじゃダメだ」というので、阿久悠がコンサートのラストで彼女をイメージして詞を書いて出来上がったというもの。

「あなたに会えて良かった あなたには希望の匂いがする」という歌詞で始まるこの歌、実は歌謡曲に非常に珍しく、ヒューマニズムを歌い上げていることに今更ながらに気がついてしまったのです。そう、この歌詞に浮かび上がってくるのは恋愛ではなく、尊敬。(悲しいがな日本の恋愛アンド性愛事情では、この二つは両立しないんですわ。というか、そういう歌を私は知らない)

とすると「街は今、眠りの中、あの鐘を鳴らすのはあなた」という心象風景にふさわしいのは、もうもう、ヨーロッパ史で言ったら、ジャンヌ・ダルクのオルレアン陥落だし、フランス革命だし。ベートーヴェン第九の「喜びの歌」クラスのデカい人間賛歌と言っても良いんですよ!

阿久悠は、当時のアルバムのライナーで、才能も身体の大きさも度胸もデカくスケールアウトした和田さんに、それまでには皆無だった新しくそして強靭な女性像を見出した、という意のことを書かれている。

そう、この歌詞、解釈すると面白いことに気がつきます。「あなたに会えてよかった」「あなたには希望の匂いがする」と語り、「あの鐘を鳴らすのはあなた」と言い放つ人間は、どうも性別は男、らしい。一見、男に期待を寄せる女の言葉かと思いますが、女の期待はほとんどが「私を幸せにしてくれるはず」というヤツなので、この歌詞のように希望を託ししたりはしない。「希望」という言葉は、ちょっと浮いた感じの日本語で、自分よりも世の中全体のこととか、私利私欲が脱色されたような語感があるんですね。

そうすると、男が男に惚れて「鐘を鳴らしてくれるのはお前だ! 」となりそうなところですが、歌詞は「あの鐘を鳴らすのはあなた」そう、呼称は「あなた」なんですよ。男が男にそういう呼ぴ方はしないので、この「あなた」は女性というイメージが真っ先に飛んでくる。そう、男が仕事上で尊敬する女にあって、その女を応援したい、という気持ちですよね。シンプルには、頑張って上を目指し(これ単純に出世とかじゃないからね)、困難を克服しようとする女のワタシの応援賛歌ですね。今でこそ、小池都知事をはじめとして、いろんな局面でそういう事実を目にしますが、和田さんがソレを歌った当時、そんなことは男女関係や利害関係抜きで、尊敬ゆえに男が女に期待する、などということはありえなかった。フェミニズムはもっと和田アキ子に注目しても良いんじゃないかい?!

加えて、阿久悠は和田さんのスケール感に期待しつつ、「だからこそ世間にウケている、はみ出し方の部分」に注意しろ、という意のアドバイスも記しています。それは、歌でいうと「独自フィーリング=味を定番化するな」という実にシビアなアドバイス。和田さんのあの『Up Town Funk』はまさにそのことの50年後の回答でした。

楽屋挨拶に伺って、いろいろと音楽の感想を述べさせていただいたら、「今度飲みましょう!!」ということになり申した。実現したら、和田さんに歌ってほしい曲たちをCDに焼いていく所存。ベギー・リーの『Fever』、k.d.ラングの『Hush Sweet Lover』、ニール・ヤング『Helpless』、ビートルズの『Golden Slumber』、バート・バカラックの『Look Of Love』とか、パッと思いついただけでいろいろ出てきましたよ。

関係ないけど、和田さん、服のセンスが素晴らしい。手足が長い外人体型はあのカルヴァン・クライン系のシンプルなステージドレスがお似合いだし、驚いたのは、近年増えているサマソニなどのフェスの出演時の衣装。Tシャツ、ダメージジーンズでヒップホップ感を出しているのですが、アクセづかいやパンツの選び方がキマっているので、「見苦しいおばさんの若作り」に全くなっていない!!! どころか、超カッコいい。スタイリストさん、いい仕事しているなあ。

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2018年1月16日火曜日

2018年1月16日

年末年始ベルリン報告⑤ 帰国後一週間ですが、もうそろそろ報告まとめんと先に行けない。今回はベルリンサウナ&スパ事情。今更ながら、サウナブーム到来なんだそうですが、わたくしめの歴史は長いよ〜。思えば、20、30代の海外のハード取材の習わしとして必ず「現地サウナ&スパ」を取り入れ、心身をチューニングする、ということをやってたんですね。

在住友人の浦江久美子さんから「中央駅近くにヤヴァイスパが最近できた」というホット情報が入り、行ってみたらマジで凄かった。その名もヴァバリスパVabali Spaというこのスパ総合施設は、広大な敷地に外プールと内プール、サウナも乾湿揃え何室もあって、食事もできるという健康ランドのラグジュアリー版。「バリ」という単語が店名に入っているのは、しつらえがまんま、バリ島のリゾート仕様だから。そういえば、バリ、ケチャの産みの親と言われるウォルター・シュピースもドイツ人だったし、レイヴァーたちも踊りに来てたし、彼の地に行くとけっこうドイツ人移住者も多く、二者は文化的に関係が深いのでした。

しかし、こういう施設は大抵子ども天国になって、静寂がそがれるのですが、このスパはそういうことがなく、落ち着いた大人のムード。浦江さんによると、特段そういう決まりは無いのだが、ドイツ人は空気を見て、遠慮する、ということらしい。(申し訳ないが日本にその空気はありませんね)

でですね。ここ、ドイツならではの、サウナ室にある熱したサウナストーンにアロマオイルやハーブを入れた水をかけ、高温の水蒸気を一気に発生させる「アウフグース」が体験できたのですよ。室温が80~90℃のサウナでそれを行うと、体感温度は100℃に達するらしく、毛穴が一気に開いて汗がぶばーっと噴き出のですが、それがも・の・す・ご・く気持ちいい。その熱蒸気を係員の熱風師が大きいうちわでこちらに送ってくる。散々それを受けた後、屋外の水風呂に入るのですが、もはや昇天間近の一大肉体快楽!!!!

外の温水プールでぷかぷか浮いていると、真っ青なベルリンの冬空が目に入ってきて、またも強烈に「人生生きてて良かった」状態。あー、もう次のベルリンは、こことオペラ劇場を往復するだけでいいっすよ。(と、なるわゃないのが、買い物好きの私なのですが)

あっ、言い忘れましたが、ここ、完全男女混浴です。私は全く気にしないのですが、アメリカ人ほかダメな人はダメでしょうね。とともに、どういうケースだったら、私自身が抵抗感があるかな、と脳内シミュレーションしてみたところ、「集団で来てワイワイ盛り上がる日本の会社員男」というセンが見事に浮かび上がってきました。彼らが日本語で何と言って盛り上がり、それが目の前に現れた、よもやの日本人の女の裸(しかもデブで初老)にどう反応するか、は容易に想像がつくからです。(なので本当に、駐在員の方、日本から来たお仲間に「裸のドイツ女がたくさんいますよ」などといって、接待を持ちかけないことを切に願うばかり)

「自分にされて不愉快なことを、相手にはしない」という成熟した社会のモラルが、このスパでの混浴の根本ですが、彼らはこのあたりを簡単にぶち壊してきそう。なぜなら、ホモソーシャルな集団は集団内の結束が第一で、それ以外は眼中にないのが常、だからです。言葉が通じず、勝手がわからない対外国恐怖心もそれに加担するかな。

とはいえ、女性専用サウナというゾーニングは存在するのです。確かに「座ってじっとしている」サウナは、視線も気になるわけですからね。でも、面白いのが、ここの熱風師が女性ではなくて、若いイケメンだということ。裸のおばあちゃんたちがその彼と楽しそうに会話していて、粋な計らいだな、と思った次第。

ともあれ、「エッチじゃない裸」の身体意識は、ヨーロッパ文化の源流、ギリシャ、ローマ時代にまで遡る歴史の重みがありまして、私の編集者時代の代表作、ぴあ✖️NHKスペシャル『fashion dream 人間はなぜ服を着るのか』というmooks本で散々、文献を当たったことを思い出しましたよ。

まあ、このスパでの大らかな体験は、これから予定されている、ナンパしてその結果を競う男たちのドキュメンタリー映画『劇場版アイドルキャノンボール2017』に関してのカンパニー松尾監督との対談に生かされるかな?

もちろん内部は撮影禁止。そして、左のプールは、実はvabaliではなく、市民プールを改造したホテルHotel Oderbergerのもの。次はここ絶対泊まろうと思う。

 
 
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2018年1月15日月曜日

2018年1月15日2

年末年始ベルリン報告④ そんな毎晩クラシック状態の中で、行ってきましたよ!! 現段階で世界一とされるクラブ、ヴェルクハイムに(正確にはワンフロアの「パノラマ・バー」だったのですが)!!!

いやー、前回の時はよもやのドアチェックで入場拒否を喰らったので、今回はツテ(在住の浦江久美子さん、サンキューです)を辿ってインビ扱い。ここのドアチェック、厳しいことを売りにしていまして、某有名DJでもお断りだつたという逸話があるのです。

荷物チェックもすさまじく、ハコの前で撮った記念写真もデリートを求められる始末。ケータイにもカメラ部分にシール、張るんだからあまりにもシビア。と、こういう厳しさで、クラブの真面目さとアンダーグラウド感というものを表現しているわけで、これはこれで、EDMな時代のテクノ/ハウス総本山としてはアリ、ですな。

大狂乱の大晦日明けなので、わりと人の入りは穏やか。さて、音響は、というと、もちろん低音の豊かな爆音ぶりはヨーロッパならではですが、DJがまだ本腰を入れていない、3時前だったので、ミックスを派手に仕掛けていなくて、本当の意味の音像の実力は実はあんまり感じられなかったのでした。

DJはフランス人DJ/プロデューサーのギョーム・ベロワイエDuilaune Berroyer。この人、曲が素晴らしくて、ファンクが土台にあり、ちょっと変態チックな知的トラックが味、なのですが、DJは普通だったなあ。というか、あまりに疲れて、これから、っていう3時に帰っちゃったので、判断不能です。

しかし、客層はさすがです。みんながよく音楽を聴いて、愉しもうとしているという基本型がきちんとある。(普通のことのようですが、クラブの場合、あまりその純粋さが保てないところも多い)

でですね。何か、この夜は不思議にモテましたね。私が踊っていると必ずアタマを撫でに来る金髪のおねーさん、お酒を回してくれたおにーさん。どう考えても最高齢の私ですが、あの暗がりで、黒髪おかっぱ頭は小娘感バリバリだったと思われる。

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2018年1月15日1

年末年始ベルリン報告③ 今回の鑑賞旅のナンバーワン体験になった、ドレスデン歌劇場のコルンゴルド作のオペラ『死の都』を1/2に鑑賞。亡命ユダヤ人として、アメリカに渡り、映画音楽の世界でその才能を爆発させ、後進に影響を与えるものの、戦後クラシック音楽界は彼に冷たく(商業主義に堕したってヤツですわ)、失意の内に没した天才のオペラは、結果「こういうことがあるから人生止められないわ(意味不明)」ほどの体験でしたよ。

一言で言えば、オペラ『死の都』を中心に仕組まれた一晩の夢のような夜。そう、オペラの序曲はドレスデンという全く予備知識のない街に(本当に調べないタイプなので)電車で降り立ったときから始まっていました。タクシーでホテルに入って着替えて、化粧を直し、歩いていける距離のオペラハウスへ地図を見ながら歩き出したのですが、歴史的建造物がてんこ盛りのまるで舞台の書き割りのようなストリートには、人っ子ひとりいいないのです。

満月に照らされ、凍えるような空気の中、地図に従って曲がり角を曲がると、そこに急に現れたのは、黄色地に描かれた行進を描いた大壁画。後でこれこそが観光の目玉のひとつ「君主の行進 」ということが判明するのですが、予備知識のない目にとっては、突然空間に現れた怪物のよう。そうして、その通りを過ぎると不意に開けた大広場の向うに夢の宮殿のように浮かび上がっていたのが、オペラ劇場であるゼンパーオパー。オペラ座につきものの華やいだエントランス付近というのは全く無く、お社交っぽくない地味な人々が黙々と並んでいる列に加わって中に入ると(ここんとこもカフカだよね)、あまりにも壮麗な劇場との辻褄の合わなさに頭がクラクラしましたよ!!

コルンゴルド、爆クラ! でも紹介することが多い、大好きな作曲なのですが、一言で紹介すると、天才作曲家としてもてはやされるもユダヤ人ということでヨーロッパを終われ、映画勃興期のハリウッドで映画音楽作家として禄を食み、映画音楽の基礎を作った人。没後再評価されているのですが、この『死の都』、何か快感のタガが外れたようなとてつもない楽曲なのです。

愛妻家の男が妻を亡くし、彼女の遺髪を隠し持ち世捨て人同然の生活をおくっている。そこに現れた妻そっくりの女優の登場。しかし、より妻への思いは幻影になって男につきまとい・・・・。という男ロマンを過不足なく描きえるプロット(何たって、ベルギー象徴主義の詩人ローデンバックが、自作の小説『死都ブリュージュ』を改作した戯曲『幻影』に基づいてます)を際立たせる、死や幻影、あの世感覚が、とことん甘美でメランコリックで、美メロの大群の波にて紡がれていくのです。バイオリンほかの楽器とソブラノが絡んでいくポリフォニー感覚なんぞの聞き味もあってもの凄くカッコいい。

他の音楽ジャンルで言えば、フランク・ザッパやスティーリー・ダン、トッド・ラングレンなんかのちょっとツィステッドで迷宮感のあるアレンジセンスを感じさせるオペラ。食べ物で言ったら、なれ寿司とかメキシコ料理のポージョ・デ・モレ(チョコレートソースのトリ煮込み)などの複雑美味系ですよ。

 モレ(チョコレートソース)で思い出しましたが、これ、ブルージュの冷たく灰色な都市の借景に展開される物語なのですが、所々に南米、ニューオリンズ的なカーニバルのエッセンスを入れてくる演出も面白かったですね。(実際、音楽もそういった和声の響きを所々に効かせてました)。

演出としては、舞台のホリゾントいっぱいに、「豊かな髪の毛を振り乱す妻のスローモーション幻影」が写真のブラチナブリントのようなテクスチャーで展開していくところが、まあ、よかった。シンプルなアイディアですが、非常に効果的。この演出家、絶対、ビル・ヴィオラらへんの現代美術のビデオ作品を参考にしているだろうな、と。そう、日本と違って、オペラ演出と現代美術には激しく人や情報の往来がなされているなあ、というのが、感想です。

小さい街なので、アフターの飯屋は数少なく、どーでもいい感じの店に入ったら、なんとそこはオーストラリア料理専門店。ダチョウのステーキを食べる気も無く、オーストラリアなら中華っしょ、というわけで、ライスヌードルの焼きそば風を頼んだら、とてつもない塩っ辛さで口の中が「死の都」に!!!! 遠くでカウボーイハットを被った店員が、エレビを引きながら「カントリーロード」を歌っているのを聞きつつ、この予想外のツイステッドなデカダン感覚を堪能した夜でした。

翌日は、ドレスデン城の宝物館にスタック。いやー、ザクセン選帝侯が財力と眼力にモノを言わせた、バロックとルネッサンスの宝物の数々。もう、欲しいものだらけで、時空を越えてすり替われるのならば、私はザクセン項の片腕となって買い物三昧の手先になりたいですよ。このころのデザインは、自然素材と金属、鉱物といった組み合わせのセンスがあり、これってまんま、今なんですよ。甲冑のコレクションも凄くてもう、ここに住みたいぐらい。

美と物量にやられまくったのか、帰りの石畳でコケて膝に重傷をおったのでした。

 

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2018年1月7日日曜日

2018年1月7日

爆クラ! 2018スタートのテーマは、原点回帰で「クラブ耳に届くクラシック」。ゲストは今まさにダンスミュージック✖️クラシックのプロジェクトを進行している、大沢伸一(モンドグロッソ)さん。今まだ、ベルリンでして、クラブ。ベルクハイン/パノラマバーとオペラハウスを行き来している私にとっても、重要な回になりそうです。

http://mameromantic.com/?p=56236
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1/18(木)爆クラ!<第66夜> 「クラブ耳に届くクラシック 大沢伸一スペシャル」

クラシック音楽の新しい聴き方を提案する、ポストクラブ時代のトーク&リスニングイベント爆クラ! 今年最初の会は、原点に帰ってのテーマ。そう、爆クラ! のコンピレーションアルバムのタイトルでもある「クラブ耳に届くクラシック」。

さて、このコンセプトはまさにニューヨークはTworoのフロアで掴んだものだったのですが、あれから10年以上たってもなお、DJのミックスとテクニックは、オーケストラを鳴らす管弦楽法、指揮者の能力、もちろん楽曲の作り方などと共通点が非常に多いことを発見し続けています。

で、ゲストにお招きするのは、大沢伸一さん。ソロプロジェクト、モンドグロッソとして国内だけでなく海外のシーンでもよく知られ 、ジャズ、ソウル、ヒップホップ、ボサノヴァ、R&Bと多彩なポップスの要素とハウスやブレイクビーツ、テクノといったクラブミュージック由来の音響設計が化学反応を起こすプロデュース作品は、大変に魅力的なものです。

最近では、満島ひかりが歌い、そのPVのおそるべき完成度がyoutube等で話題になった『ラビリンス』。声質とバッチリ合ったメロディラインの創作、クラブ/DJミュージックが得意とする「浮遊感」が 見事に合わさったこの楽曲からは、そのような境地を和声や管弦楽法で表そうとしたクラシック音楽の先達たちの作品との共通点がみて取れるのですよ。


自身の私設オーケストラを結成したりと、ダンスミュージックとクラシックの融合を目指すプロジェクトも進行中の大沢さん。たとえば、bird、安室奈美恵等の声に歌わせたいクラシックの歌曲はどんなものか❓ ビートはどういう形で残すのか。いや、ダンスというというのならば、思い切ってワルツの3拍子に戻るのもアリなのか、などという話題からもクラシック音楽の個性や魅力、そして問題が浮き彫りになってくるはず。DJ/プロデューサーとして最先端の活動をし続けている彼が感じる、クラシック音楽楽曲の魅力、そして限界、ジャンルの可能性などを、大沢さんと私とで持ち寄った曲たちをネタに、語っていきたいと思います。

湯山玲子

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爆クラ!<第66夜> 「クラブ耳に届くクラシック 大沢伸一スペシャル」

1月18日(木)


door open 19;15 start 20:00
場所 : 晴れたら空に豆まいて【東急東横線代官山駅正面口徒歩2分/東京都渋谷区代官山町20-20 モンシェリー代官山B2 T. 03 5456 8880 F. 03 5456 8881】
http://mameromantic.com/?cat=6


前売り 3000円 / 当日3500 円 + 1D 600円�学生 前売り 1600円 / 学生 当日2000 円 +1D 600円

■ 入場は整理番号順
■ 要別途1ドリンク代金600円
■ 会場は畳敷き(椅子席あり)

メールでのご予約
電話でのご予約
予約はこちらから(ページの下の方にチケットぴあ等の決済サイトがあります)
http://mameromantic.com/?p=56236


ゲスト
大沢伸一(MONDO GROSSO)
おおさわしんいち
音楽家、DJ、プロデューサー、選曲家。リミックスを含むプロデュースワークでBOYS NOIZE、BENNY BENASSI、ALEX GOHER、安室奈美恵、JUJU、山下智久などを手がける他、広告音楽、空間音楽やサウンドトラックの制作、アナログレコードにフォーカスしたミュージックバーをプロデュースするなど幅広く活躍。2017年14年振りとなるMONDO GROSSOのアルバム『何度でも新しく生まれる』をリリース。iTunesアルバム総合チャート1位、オリコンアルバムランキング8位、満島ひかりが歌う「ラビリンス」ミュージックビデオが850万回以上再生されるなど華麗な復活劇が音楽シーンの話題となった。

www.shinichi-osawa.com
www.mondogrosso.com



主宰・ナビゲーター
湯山玲子
ゆやまれいこ
著述家、プロデューサー。現場主義をモットーに、クラブカルチャー、映画、音楽、食、ファッション等、博覧強記にセンスが加わった独特の視点にはファンが多い。 NHK『ごごナマ』、MXテレビ『ばらいろダンディー』レギュラー、TBS『情報7daysニュースキャスター』などにコメンテーターとしても出演。著作に『女ひとり寿司』 ( 幻冬舍文庫 ) 、 『クラブカルチャー ! 』( 毎日新聞出版局 ) 『女装する女』 ( 新潮新書) 、『四十路越え ! 』( 角川文庫 ) 、上野千鶴子との対談集「快楽上等 ! 3.11 以降の生き方」 ( 幻冬舎) 。『文化系女子という生き方』 ( 大和書房)、『男をこじらせる前に』(kadikawa文庫) 等。ク日本大学藝術学部文芸学科非常勤講師。(有)ホウ71取締約。クラシック音楽の新しい聴き方を提案する爆クラ! 主宰。父は作曲家の湯山昭。
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2018年1月4日木曜日

2018年1月4日

ベルリン二日めの元旦は、コンチェルトハウス管弦楽団Konzerthais Berlin@コンチェルトハウスと、リアス・カンマーコーアRiss Kammer Chor@ベルリンフィルハーモニーのダブルヘッダーつまりはしご酒。

「絶対に現場じゃないと、理解できないことがある」というのは、私の編集者、ライター時代からのモットーなのですが、その極め付けだったのがリアス・カンマーコーア(どうもこの響き、お笑いのザコシショウを思い出す。ハンマーカンマー!)のハイドン『天地創造』通しでしたね。

オケのスタイルは、当時の楽器を復元、ピリオド楽器による音響を再現した古楽といわれるもので、これ、今やクラシック音楽会の大トレンドになっています。まあ、このオケそのはいえハイエンド奏者を集めて、楽器の性質と歴史知り尽くした、もうもう研究者兼指揮者のような、ルネ・ヤーコブスRene Jacobs(元カウンターテナー歌手だった!)がまとめているのだから最強。

とにかく、全員がルネッーサンスの髭男爵とバロックの楽士の霊が憑依したんではないかというような音空間が継続。特にキーがなくて倍音が出せないナチュラルホルンやトランペット、よくもまあ、入りのタイミングと音色のキープができるよなあ、と感心しきりです。それに女19人、男15人の合唱団が加わってくる。ひとり、パンキッシュな赤い髪の女子がいて、さもありなん。古楽、そういったクラシックの非優等生(もの凄くいい意味で)を集めてますよねぇ。

で、今回私がぴっくりしたのは、このヘンデルの『天地創造』のヨーロッパにおける意味。『四季』と並ぶヘンデル、オラトリオの傑作ですが、『四季』に見られるキャッチーさはなく、ソプラノ、テノール、バスの歌手がそれぞれ、天使たちとアダムとイヴを担当、キリスト教の天地創造を歌で語り継いで行くという趣向。そう、日本で行ったら、講談ですわ。これ純粋な音楽視聴というよりも、聴衆にどれだけのバックグラウンドがあるか、を問われる演目なのです。

たとえば、歌舞伎に『楼門五三桐』という石川五右衛門が南禅寺の山門のてっぺんに登って「絶景かな」とキメセリフを言うだけの正月によくかかる芝居があるのですが、私たち日本人は、寿司屋にあるような光量たっぷりの視覚、「新春」という言葉に代表される、心機一転の新しさ、めでたさ、光景が染み入っているので、この芝居に対して、それらの教養資本を使って感動できるのですが、それがない外国の人々には「ただの一発豪華芝居」となっちゃうんだろうな、という話。

で、ベルリンの観客はどうだったかというと、本当にみなさん大感動のスタンディングベーション。この熱狂は音楽だけの純粋感動ではないことは、となりの老夫婦の興奮ぶりからもよくわかる。歌われた歌詞に艶笑小話的なものがあるのか(アダムとイヴ、ですからさ)、クスクス笑いも漏れていて、『天地創造』のドイツという国内ならではの、非常に芸能的な一面を大いに感じることができました。

クラシック音楽は「人種や地域を問わないオープンシステム」なのですが、こういう経験に出くわすと、心底面白い。イタリアのオペラも一見、そう感じられますが、あれらの多くは恋愛などの世界共通モードを表現しているので芸術として理解しやすい。(そうじゃない方のオペラ、まずヤベーヤの「預言者」は今週木曜に観劇予定)でも、ハイドンのオラトリオなどは、本当にこちらは教養を食らい、セッディングする必要があるんですよ。

歌手は古典オペラの若き名手、ロビン・ヨハンセンRobin Johannesburg が、この時代ならではの鈴を転がすようようなテクソプラノを発揮し、セパスチャン・コールヘップSebastian Kohlheppが晴れやかなテノールを披露。バスのミシェル・ナギMicheal Nagyという美男の美声も印象的でした。

さて、もうひとつのコンチェルトハウス管弦楽団ですが、指揮者のアレクサンダー・シェリーAlexander Shelleyは真面目な感じ。一曲目、オットー・ニコライのオペラ『 の序曲』は万華鏡のように曲調が変化するので、もっと遊んでもいいようなものなのにお堅いんだよな。でも、ヘンデルの曲などは、堂々とおおらかな音作りになり、オケ全体にグッとノリが出てきたようで、またしても、得意分野問題。

曲といったら、エルガーの『威風堂々Pomp and Circumstance』今回このオケでは最大威力を発揮。この曲の「花道感」に匹敵するのは、ダイアナ・ロスの『Ain’t no mountain high enough』ぐらいのゴージャスなアゲアゲ感を落ち着いた重量感で表していました。悪い方の「特筆すべき」はラルフ・ヴォーン・ウィリアムスの手になるオケ版『グリーンスリーブス』。言わずと知れた世界遺産並みの美メロですが、編曲が本当にダメ。こういう場合、大抵、弦がメロディを対位法的に追っかける、クラシックあるあるアレンジが施されるのですが、これがねえ、こういう特別メロの場合には禁じ手。メロが良いほどものすごく下品になるんですよ。本当にこういうの、フィル・スペクターやバート・バカラックのアレンジ感覚を見習ってほしいものですわ。このところ、ポップスの編曲オケ版って流行っていますが、本当に心配。

して、今回の目玉はロックスター並みのルックスでオルガン業界に彗星の如く現れた天才風雲児、キャメロン・カーペンターCameron Carpenter。ラッキーにも多彩な音色を繰り出してくる彼の手元が、音響版に映って丸見えなので奏法がよくわかる。ヘンデルを経て、アンコールで弾いたオリジナル曲(多分)を通してはっきり感じられたのは、この楽器の持つ、意外にも俗っぽさ、大衆性というもの。いそう、オルガンって、教会音楽の要だし聖性の音色なんじゃないか? と思った人は多いと思いますが、本性は「俗」。ピアノがどんな使われ方をしても、クラシックの真善美を伝えてしまうのと、真逆なんですよ。

白玉で和音を長く引き延ばしている分にはいいのですが、カーペンターのように超絶に走ると、アコーディオンとかハーモニカとか、ロックブルースのハモンドオルガンなどのリード鍵盤楽器の、言わば大衆酒場、ライブハウスの匂いが立ち上がってくるアンビバレンツ。これはひとつには、この楽器、もの凄くロック/ポップスのアレンジに多用されているというというのもあるでしょうね。日本にはエレクトーンというガラパゴス的な電子楽器もありました。高校の軽音楽部のキーボードとかの。聖でいて俗。オルガンはキリスト教布教の尖兵ツールだったわけで、本当に楽器としては「抜かりなし」ですな。

写真はリアスカンマーコーアのカーテンコールと良い席を抑えてくれたプレスのニナNina Jozefowicz嬢。でかい肉はコンツェルトハウス前のビール屋で「すぐできるやつ」という注文に対して出てきたギャートルズ的な肉www。もちろん、食べきれずtake away。

 

 


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2018年1月1日月曜日

2018年1月1日

明けまして、おめでとうございます。

そして、年越しは、ベルリンフィルのジルベスターコンサートに行ってきました。サイモン・ラトル首席指揮者としては最後のジルベスターとなる今回、ほとんど直前のチケット手配だったのにもかかわらず、前から5列目のど真ん中の17。カップル文化の欧米コンサートはこういうおひとりの良席がポッと出るので嬉しい限り。

この夏のザルツブルグ音楽祭オペラ初日の皆さんのドレスアップぶりに仰天した私でしたが、この回は皆んなおとなしめのコンサバ。とはいえ、ブラックドレスの胸元や耳たぶには「何カラットですかい?」の婆様は所々におられましたが。

ソーカツといたしましては、とにかく音のダイナミズムが激凄。こないだのウィーンフィルと違って「オーケストラ表現はここまでできるのか❓」第2弾。(ほら、私めはクラブカルチャー出身。テクノ/音響系のエレクトリック音像を知っているわけでして)そして、全てに「豊潤」という語感がふさわしいその音像は、ストリング集団が作り出していて、柔らかい苔を踏むようなピアニシモから、富士山山頂で雷を聴くがごとく(聞いたことないですが…)のフォルテまで、ご存知のようにアンプを使わないクラシックは、その音感を作曲家は管弦楽法で、そして演奏者は奏法で、指揮者はテンポ設計などの技術で行うわけですが、どれもがぴったり合った場合のとんでもない境地が今回、随所にあったのです。

指揮者のサイモン・ラトルで言えば、ショスタコーヴィチの初期のバレエ音楽でモダン感覚溢れる『黄金時代 Day Golden’s Zeitalter』のクライマックスとその後のテイクミドルの思い切ったテンポ変化を施していて、それが「切れ味とともにグッと来る」という妙味を見せつけてくれました。ドボルザークの『謝肉祭 Karneval』序曲。派手で可愛らしい曲ですが、この作曲家、オケを鳴らす方法が秀逸。

曲的な発見としてはは、ストラヴィンスキー『ミューズを率いるアポロ Apollon musagete』ですかね。冒頭のテクスチャーはホント「Bloom(開花)」という表現がぴったりの素晴らしい音響。『シャッセ・オ・パピヨン(蝶々をつかまえて)』というラルチザン・パヒュームの名香水があるのですが、まさにソレなんですわ。ロマン主義的な甘〜いメロに和声的不協和やリズムの妙が随所に入ってきてとにかくカッコよくて官能的。この主客を間違えない絶妙なバランスはもう、指揮者のセンスとしか言いようがない。サイモン・ラトル、すごーく信頼できるなあ。というか、次の爆クラ! コンピレーションCDにこの曲、入れたし!!! もう、大好き!!!!!

メゾソプラノのジョイス・ディドナートを加えた、リヒャルト・シュトラウスの歌曲集。ジョイス嬢のなんとも言えないダルな陰りを持った低音と、シュトラウスは合ってます。オケで秀逸だったのは、『東方の聖なる三博士 Die hello gen drew Konige op.56 Nr.6』地鳴りのような低音と生命力という言葉がぴったりな弦の響きに感動。

そして、注目の奏者が、コンマスを務めたノア・ベンディックス=バルグリー Noah Bendix-Balgley。シュトラウスの歌曲等々で何度となくソロをとったのですが、とにかく音が綺麗。一見、さらっと地味なのですが、もの凄く内圧が高く情報量が多い。例えるならば京舞の井上八千代(先代)のごとく。といいますか、ベルリンフィルのストリングス集団の特徴は彼が代表しているのかも。

と、これまで褒め称えてきましたが、ベルリンフィル✖️サイモン・ラトルの座組にも残念な演奏があったんですよ。それは、バーンスタインの『オン・ザ・タウンから3つのダンスのエピソード』と『ホワイトハウスカンタータ』の2曲。そう、二つともあのバーンスタインのグルーヴィーでジャジーな交響曲。

まず、これらの曲にもうもう絶対な、それこそ根幹をなす、裏打ちのグルーヴが、奏者と多分指揮者にも取れていない(ラトルに関しては他のオケでナイスな演奏があるかも、なのですが)。特に管楽器全体が酷くて、トロンボーンの奏者は調子が悪かったのか、全くリズムにハマってこない。申し訳ないが、このリズムの掴みの悪さがクラシック音楽ならば、もう恥ずかしいから、バーンスタインやっちゃダメ。

他がよかったので、頭抱えちゃった。といいますか、バーンスタインの交響曲は、もうそれ専門のオケを組成する必要があるかも。2月15日の爆クラ! にNHK交響楽団で棒を振る、パーヴォ・ヤルヴィをゲストでお呼びするのですが(快挙!!!)そこで語るにあたってのいい体験になった次第。グルーヴといえば、アンコールの最後に演奏されたブラームスは、そのま真逆でもうもう、素晴らしいドイツ・クラシックの自在な揺れを堪能できたので、ホントこういうのは餅は餅屋なんだろうな、と。

花束をもらったラトルが客席に分け入るとその先には、なんと、メルケル首相のお姿が!!! とっさのことでびっくり。
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