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2018年1月1日月曜日

2018年1月1日

明けまして、おめでとうございます。

そして、年越しは、ベルリンフィルのジルベスターコンサートに行ってきました。サイモン・ラトル首席指揮者としては最後のジルベスターとなる今回、ほとんど直前のチケット手配だったのにもかかわらず、前から5列目のど真ん中の17。カップル文化の欧米コンサートはこういうおひとりの良席がポッと出るので嬉しい限り。

この夏のザルツブルグ音楽祭オペラ初日の皆さんのドレスアップぶりに仰天した私でしたが、この回は皆んなおとなしめのコンサバ。とはいえ、ブラックドレスの胸元や耳たぶには「何カラットですかい?」の婆様は所々におられましたが。

ソーカツといたしましては、とにかく音のダイナミズムが激凄。こないだのウィーンフィルと違って「オーケストラ表現はここまでできるのか❓」第2弾。(ほら、私めはクラブカルチャー出身。テクノ/音響系のエレクトリック音像を知っているわけでして)そして、全てに「豊潤」という語感がふさわしいその音像は、ストリング集団が作り出していて、柔らかい苔を踏むようなピアニシモから、富士山山頂で雷を聴くがごとく(聞いたことないですが…)のフォルテまで、ご存知のようにアンプを使わないクラシックは、その音感を作曲家は管弦楽法で、そして演奏者は奏法で、指揮者はテンポ設計などの技術で行うわけですが、どれもがぴったり合った場合のとんでもない境地が今回、随所にあったのです。

指揮者のサイモン・ラトルで言えば、ショスタコーヴィチの初期のバレエ音楽でモダン感覚溢れる『黄金時代 Day Golden’s Zeitalter』のクライマックスとその後のテイクミドルの思い切ったテンポ変化を施していて、それが「切れ味とともにグッと来る」という妙味を見せつけてくれました。ドボルザークの『謝肉祭 Karneval』序曲。派手で可愛らしい曲ですが、この作曲家、オケを鳴らす方法が秀逸。

曲的な発見としてはは、ストラヴィンスキー『ミューズを率いるアポロ Apollon musagete』ですかね。冒頭のテクスチャーはホント「Bloom(開花)」という表現がぴったりの素晴らしい音響。『シャッセ・オ・パピヨン(蝶々をつかまえて)』というラルチザン・パヒュームの名香水があるのですが、まさにソレなんですわ。ロマン主義的な甘〜いメロに和声的不協和やリズムの妙が随所に入ってきてとにかくカッコよくて官能的。この主客を間違えない絶妙なバランスはもう、指揮者のセンスとしか言いようがない。サイモン・ラトル、すごーく信頼できるなあ。というか、次の爆クラ! コンピレーションCDにこの曲、入れたし!!! もう、大好き!!!!!

メゾソプラノのジョイス・ディドナートを加えた、リヒャルト・シュトラウスの歌曲集。ジョイス嬢のなんとも言えないダルな陰りを持った低音と、シュトラウスは合ってます。オケで秀逸だったのは、『東方の聖なる三博士 Die hello gen drew Konige op.56 Nr.6』地鳴りのような低音と生命力という言葉がぴったりな弦の響きに感動。

そして、注目の奏者が、コンマスを務めたノア・ベンディックス=バルグリー Noah Bendix-Balgley。シュトラウスの歌曲等々で何度となくソロをとったのですが、とにかく音が綺麗。一見、さらっと地味なのですが、もの凄く内圧が高く情報量が多い。例えるならば京舞の井上八千代(先代)のごとく。といいますか、ベルリンフィルのストリングス集団の特徴は彼が代表しているのかも。

と、これまで褒め称えてきましたが、ベルリンフィル✖️サイモン・ラトルの座組にも残念な演奏があったんですよ。それは、バーンスタインの『オン・ザ・タウンから3つのダンスのエピソード』と『ホワイトハウスカンタータ』の2曲。そう、二つともあのバーンスタインのグルーヴィーでジャジーな交響曲。

まず、これらの曲にもうもう絶対な、それこそ根幹をなす、裏打ちのグルーヴが、奏者と多分指揮者にも取れていない(ラトルに関しては他のオケでナイスな演奏があるかも、なのですが)。特に管楽器全体が酷くて、トロンボーンの奏者は調子が悪かったのか、全くリズムにハマってこない。申し訳ないが、このリズムの掴みの悪さがクラシック音楽ならば、もう恥ずかしいから、バーンスタインやっちゃダメ。

他がよかったので、頭抱えちゃった。といいますか、バーンスタインの交響曲は、もうそれ専門のオケを組成する必要があるかも。2月15日の爆クラ! にNHK交響楽団で棒を振る、パーヴォ・ヤルヴィをゲストでお呼びするのですが(快挙!!!)そこで語るにあたってのいい体験になった次第。グルーヴといえば、アンコールの最後に演奏されたブラームスは、そのま真逆でもうもう、素晴らしいドイツ・クラシックの自在な揺れを堪能できたので、ホントこういうのは餅は餅屋なんだろうな、と。

花束をもらったラトルが客席に分け入るとその先には、なんと、メルケル首相のお姿が!!! とっさのことでびっくり。
 
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