Powered by Blogger.
 
2018年2月19日月曜日

2018年2月19日

ななんと、ウォン・カーウァイの『欲望の翼』、文化村ル・シネマで13年ぶりのロードショウ再演!!! ということで、遅ればせながら行ってきました。

これ、わたくしが墓場まで持って行く名作(どうするのか謎)のひとつですが、最初に観たときの状況が凄かったんですよ。どういう状況かというと、尖沙咀側の九龍ホテルの一室、深夜一時。そう、わたくしは映画関係の仕事で香港に入って、インタビュー等の事前インプットのひとつとして観たのが『欲望の翼』だったんですよ。

軽い気持でみはじめたのですが、生い茂った椰子の密林にザビア・クガードの粘るリズムのラテン・オルケスタが流れ、深夜の売店で男と女が出逢い、「1分間の友情」(このくだり、村上春樹の影響が多く指摘されております)という特別な時間が流れていく、というここまででもう、わたくしベッドから飛び起きて、居住まいを正したという記憶アリ。

だってさ、これ観たのは香港のホテルの密室の中。窓から見える、ネイザンロードの夜景と、窓から入るムッとする熱気と湿気に、思わずふらふらと夜道にコーラを買いに出かけそうに(映画の冒頭ね)なったもんです。

当時は、この作品が持つ意味深かつ絵画的な映像美と「叶わない愛」のいくつものエピソードに込められた甘くて重い熱量に、まるで音楽のようにシビれたのですが、あれから幾星霜の今、映画に描かれる男女関係により、深い妄想がわいてもきます。

そう、今回の発見は、ヨディを巡るふたりの恋人たちというよりも、彼を育て、奇妙な精神的枷を彼に与え、ヨディと香港を捨て、初老のアメリカ人恋人と海を渡ろうとする義母、レベッカ。そう、ヨディの悪魔的に人を惹きつける磁力は、義母と彼との間で長いこと培われた、愛と憎しみとそして罪悪感が入り交じった濃厚な感情交流から発せられてる、という事実。「クソババア、バカ息子」とののしり合うが、その本質はお互いを食べてしまいたいほど愛しい、という関係性。あっ、これ、寺山修司の得意分野でもある。

しかし、ヨディ演じるレスリー・チャン。とんでもない名優でしたな。お子ちゃまアイドル顔でとてもセクシーというタイプでないのに、不思議な色気があるんですわ。彼はゲイを公言していましたが、「愛欲」の様々な感情を知っている人ならではの独特な表情と間!!! 仕事じゃなくて、恋愛に生きている男。このタイプ、日本人俳優にいるのだろうか。

まだ、上映中なので、チェックしてみて。

https://www.youtube.com/watch?v=uuC6zkWlmmU&t=52s
 
湯山玲子公式サイト © 2011 DheTemplate.com & Main Blogger . Supported by Makeityourring Diamond Engagement Rings