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2018年10月1日月曜日

2018年10月1日2

そういえば、アップし忘れていた件がひとつ。9/24に代官山で行われたアンナ・カリーナとのトークショーの顛末。

ゴダールの感情豊かなスパークルが迸った(ヘンな日本語だな)、初期のミューズであらせられるアンナ嬢、もうもう、奇跡とも言える美しさ、可愛らしさを見せつけた「女は女である」から幾星霜。ばあちゃんになったアンナは、フランス女性の「年齢❓それが何か」伝統にのっとり、しっかりと後期高齢者でしたが、あの、グレーに透き通る瞳だけは変わらないんですよ。

今回最も聞きたかったことは、「なぜ、デンマークですでに女優のきざはしにいた美少女が、パリに出奔したのか。そしてどういう生活を送っていたのか」という点。母親が再婚して、新しい父親のいる家に居場所がなかった、ということは知っていましたが、本人の感じだと、もうちょっと「パリにいけば面白いはず」というお転婆で向こう見ず感が伝わってきました。

本当にお金がなくて泊まるところがなくて、見ず知らずの商店のオヤジに交渉して一夜の宿を得たり(オヤジがいい人で危険なことはまったくなかったそう)、そう、アンナは田舎から文無しで出てきて、ネットカフェに泊まるような女の子だったわけです。

で、ここが重要なんですが、そういう状況から彼女は女優になるチャンスを掴んだ。貧乏は辛いものですが、そういう悲惨な状況をミュージカルのように楽しく過ぎ越す才能があった人なんですよね。

ゴダールの言葉の中に「世界を俯瞰でみるのが喜劇、クローズアップで見るのが悲劇」というのがありますが、パリという街は当時のパリという街は前者の気風が満ち満ちていたんでしょうね。

こんなラッキーガール&リア充のアンナ嬢にゴダールは『女と男のいる舗道』という悲劇のヒロインをやらせています。女優を夢見て、パリに出てきて、娼婦になり、最後に男に虫けらのように殺されてしまう女。この映画におけるアンナ嬢は、のちに絶対にカサヴェテスなんかに影響を与え、それどころか、現代美術のビル・ヴィオラ級の顔のクローズアップの連続!!! にて、人ひとりの悲しさと人生の不条理をこちらに伝えてくる。(いやー、凄い顔だわ)この彼女の「重さ」に実はゴダールは引かれたのかもしれませんね。
 
 
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