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2019年3月20日水曜日

2019年3月20日

今、浜松駅を通過中の新幹線車内。さっき紀尾井ホールで聴いてきた、カンブルランCambreling指揮の読売交響楽団公演「果て無き音楽の旅」を早速ご報告。(近頃、FBサボりがちなので反省ちう)カンブルランが厳選した20世紀の4作品は、ヴァレーズ「オクタンドル」Varese-Octandle、メシアン「七つの俳諧」Messian-Sept haikai、シェルシ「4つの小品」Scelsi-Quatro Pezzi、グリゼー「音響空間から<パルシェル>」Grosey-Partiels Les espace acoustique。どれも演奏者が8人から約30人ほどの編成で演奏されるザッツ現代音楽ですが、今回の衝撃大発見は何と言ってもシェルシ。イタリア出身で、88年に没後、フランスの若い作曲家達が自らのルーツとしてその名を上げるなどで「再発見」された作曲家ですが、とんでもない才能っすよ。この御仁。ネットで調べたら、そのツラ構えは、目がきょろりと大きく、「サイコ」のアンソニー・パーキンス系の美異形男子。ホントに顔は音楽を表すわいな。ちなみにこの人、コクトーとか、ヴァージニア・ウルフとかとも親交があったらしい。

といいますか、この人こそ爆クラ、待望の作曲家。クラブ耳に届くクラシックというのが、爆クラのDNAにあるのですが、わたくし、ずーっと「なぜ、現代音楽のオケ使いには、短音のユニゾンロングトーンを各楽器の”発音”の違いでもって、徹底的に音響を追求する試みがないのじゃろうか?」と思っていたら、その決定版がシェルシだったということが本日、判明。

いや、単音ユニゾンロングトーン×各楽器って、言うが易し、行うが難しの典型であり、「アイディアはわかった。けどさ、音楽として持つかどうか」というパターンが容易に想像されるのですが、もう最初の8小節でただならぬ音像。所々に差し込まれるバイオリンのボルタメント、1オクターヴの同音推移などをドローンのように唸らせるボディの短音レゾナンスはもとより、雅楽の篳篥(ひちりき)のように聞こえる、ミュートトランペット(それも一瞬)、東洋趣味の太鼓などの「差し色」が超超超超カッコいい!!!

1音程といってもその、たとえばファの音を、トレモロをかけたり、ずばーっと出し切ったり。するとその質感に違いが出るわけで、そのテクスチャーの導き出し方とセンスがもうもう、とてつもないんですよ。各楽器が発する1音の微細な揺れ音波を徹底追求。まるで顕微鏡を見ているように拡大していくという感じ。

驚くべきは3楽章で、舞台下手に位置したサックス群のもの凄い音圧音群と右側の硬質なトランベット群の意図されたアンバランスが、これがもしカンブルランの手法ならば、あまりにも秀逸!!! と、これはたぶん録音物では体験できない類のオケ音響。もうさ、これ絶対、爆クラオーケストラでやる所存。

そのイッちゃった音響の「寄る辺」となるのが、ティンパニであり、テクノの天才、田中フミヤのミックスにもこれに似た「アンカー」(リスナーの感情の落ち着き所)を同様に打楽器で作っていたよなあ、と急に思い出しましたよ。(そういえば、あのセットの時客は私を含めて5人だった・・・)

シェルシに影響を受けた、というグリぜー作品は申し訳ないが平凡。いや、そんな事を言っちゃいけないな。色彩豊かで、よく考えられた音響的展開は変化に富んで面白いのですが、いかんせん、シェルシの後では分が悪い。

メシアン「七つの俳諧」はもう、湯山的に大好物なゲランの香りのように豊かで深淵、そして自然の不可思議さに満ちた、それでいて、可愛らしい名作でございました。ヴァーレーズは、申し訳ないが、演奏家に音が入っていない、現代音楽家作品のアルアルな感じでした。

ふ〜。風呂の湯がたまったので入ることにする。と思って、youtubeを観たら、この人の「UAXUCTUM」という曲があって、これもヤヴァイ。世界のどこかでこれやるんなら、弾丸でも聴きに行くぞ。

https://www.youtube.com/watch?v=G-E-pj77ZKg&fbclid=IwAR3VR5qLK1B6TdirOFuGfdW3Rn8t1y9THAMbEXyFJFvNK95XXZecHSxm_v0
 
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