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2007年5月8日火曜日

奥歯抜歯と映画『バベル』〜どちらも麻酔無しで傷口縫合



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有言実行! この言葉ほどいつも私を挫折感に陥らせるものはないのだが、今回はやりましたよ。何を? 
 そう、GW中の部屋の片付け+冬物衣料大整理大放出じゃ。東京滞在中のウィーンのお友達チーム、トーマスご一行を目黒「とんき」に連れて行き、野宮真貴さんと旦那の昼間さんとシティボーイズの舞台→イタメシ+狂乱カラオケを毎夜毎夜にこなしながらの大健闘だったが、開けた本日はもうぐったり。フランソワーズ・モレシャン氏も言っておったが、洋服の整理は本当に気力と体力がいる。服ひとつひとつに思い出が張り付いてますからねー。 
 昨シーズン見かけなかった、アナスイのスカートを発掘。もはや、トロイア遺跡発掘に燃えるシュリーマンか、高松塚古墳かってな心境。  と、そんな日に限って歯医者の予約が入っており、しかも、奥歯抜歯という大イベントだったことを今日の今日まで失念していたバカな私。 とはいえ、すでにこの奥歯ほとんど崩壊していたので、抜歯は楽々と医者も私も踏んでいたのだが、大変なことが起こってしまった。そう。麻酔の効きが異様に弱いのよ。「麻酔効かない体質ですか?」「いや、そんなことありまへん」「おっかしいなー」とガンガン追加されても、唇やあごは麻痺しているのに肝心の抜歯の要のところの感覚がしっかり残っているのだ。いてててててぇー。すべての拷問の中で歯関係は最高位らしいが、その片鱗の恐怖をはっきり感じさせていただきました。医者の話によると歯肉に炎症が残っているとそこが酸性になって麻酔がかかりにくいということらしい。そこを縫ってもらって、来週また再度トライらしいが、ダメなときは大学病院送りになる模様。ほんとかよ?!  痛む歯を抱え、これで即帰宅できるならばいいが、こういう日に限って、過酷な予定が入っている。
 そう。雑誌「ソトコト」での連載「エコ飯ミシュラン」のために一路、新丸ビルの「酢重ダイニング」へ行ってメシを食わなきゃならんのだ。唇の半分はまだしびれが残っているというのに。しかしながら、食欲はそれを凌駕する。軽井沢本店があり、信州味噌と醤油がうたい文句のこの店、たしかにサバ味噌のノーブル方向の味付けはなかなか。詳しくは次号の「ソトコト」参照のこと。 この連載の対談相手、菅付雅信君と盛り上がったのは、映画『バベル』の話題。私的には、9.11以降のアメリカグローバリズム批判とネット時代の世界同時進行感覚&コミュニケーション問題を扱った映画としては、最高峰だと思う。と同時に、東京の描き方に驚いた。モロッコ、メキシコ、日本。その地を突き刺す登場人物としてアメリカ人カップルがいる。モロッコ、メキシコにおけるエピソードは、どちらかというと南北問題、そう、富めるアメリカとその対極の摩擦から来る「予測できる」物語だったのに対し、日本の登場人物設定はハンティング趣味の村上龍描くところの理想の中年セレブな男とその聾唖の一人娘という、東京と日本イメージの紋切り型からはちょっと考えもつかない設定。こういう、オリジナルなつかみはたぶん、この監督の独特な感性から生まれてもので、もう、このへんのセンスは現代文学の領域っぽい。(しかし、映画ではきちんとコミュニケーション不全の象徴に収まっているので普通の観客は安心するのだが、東京でのシーンは全体としてその意味からこぼれ落ちるものが多くてそこが魅力だったりする)独自の強固なローカル文化と西欧的近代化をなんとか両立させてきたこの三国の中でも、過剰に本国の思惑を超え、資本主義の実験地、みたいに先鋭化してもう、まったくわけがわからないことになってしまった日本、そして東京の凄まじさをものすごくよく描いていると思う。 まあ、映像感覚も凄くて、聾唖のチエコが公園でストリートボーイズとドラッグかっくらって大はしゃぎして、夜のクラブにたどり着くまでの、カメラのスピード感、とぎれとぎれの音響、そして、理解と共感から、ひとり群衆の中の孤独に引きはがされるショックまでのシークエンスは、もう、ここだけでひとつの短編音楽映画が作れてしまうほどの魅力と強さがある。
 『シティ・オブ・ゴッド』のフェルナンド・メイレレスと同様、ラテン系の監督、社会派の衣をまといながら、官能と感覚を爆発させると超ド級の凄腕を見せる。 『バベル』というだけあって、「知恵と能力故に身を滅ぼす」モロッコの弟や、人間の証であり原罪である性欲の問題も、コミュニケーションの最も根本的な衝動として誠実に描かれていましたねー。 しかし、菅付君によると、ユーチューブでOprah Winfrey Oscar Specialでの菊池凛子のパロディーがガンガンアップされているそう。まー、想像するにあの「ご開帳」シーンに違いないと思っていたら、ホントにそうだった。バカですねー。奥歯抜歯と映画『バベル』。どちらも麻酔無しで傷口縫合ってことで。Dsc01394

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2007年5月7日月曜日

ワインに引かれて、すべての料理は善光寺参りができるのか



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アラン・デュカスが若手の実力派シェフを国内から募って、パリの「プラザ・アテネ」のレストランで2週間に渡ってパフォーマンスを繰り広げる「フードフランス 」。その日本版が昨年に引き続き開催されているので、最終日5/1ののランチに駆け込んだ。場所は昨年のグランドハイアットの「フレンチキッチンブラッセリー アンドバー」から、表参道の「ブノワ」へ移転。「ブノワ」と言えば、ビストロ趣味をふんだんに盛り込んだ内装が最高なので(変な木彫りのシェフ人形がガーンと窓辺に飾ってあったり、まるでルイ・マル描くところの「おじいちゃんが住む趣味のいい田舎別荘」感がたまらない!)、その点からいえば、このテロワール感バリバリのイベントの背景としては適当であります。
 
 今回のシェフは、水の都ヴィシーの<ル・ラディオ>というホテルにて気を吐いている
フレデリック・クールソル。メーデーの行進でちっとも動かないタクシーのおかげで、五分遅れで入ったら、テーブルにはすでに両親とコヨーテの広告ウーマン羽鳥さんがアミューズとシャンパンを飲んで盛り上がっている。この間、実家に帰ってついこのことが話題に出たら、行きたい、というので、両親同行。どうでもいいけど、母親のドレスアップ方向が元国土庁長官の扇千景がお得意だったフリル系なのが思いっきり店のムードと対立していたが、考えてみれば彼女たち、フランス料理第一世代なわけで、そのギャップは致し方なし。だってさ、フラン
ス料理の本国のシェフが初めて日本で技術指導を行ったのは、70年万博ですからね。思えば遠くにきたもんです。
  
 「タンニンを利かせた白アスパラガス 真鯛とカルパッチョと共に」がアントレ。これ、造形的には白アスパラのすっくとした寝姿が三本。両脇の日本はワインを煮詰めたソースでワインレッドに染まっており、中央の一本は真鯛を巻き付けて就寝中という、これまたフランス映画のラブアフェアーを想像させるルックスにて、とりあえず、最初の印象は、エロい。白アスパラの形状は食材の中でもまさにアレだが、真鯛のペターンという食感があの柔らかいんだけど繊維質のシャリ感がある独特の白アスパラの食感は口腔内の快楽優先型だ。しかしなが
ら、赤ワイン由来のタンニンとアスパラのマリアージュは、思ったよりも普通。シェフもそう思ったのか、ちょこんと乗っている行者ニンニクのソースが混ざると不思議な輪郭が出る。しかしながら、このクルーソルの料理、もっととんでもない「つけあわせ」があったのだ!
 
 それは、ワイン、なんですねぇ。
 このシェフ、地元、オーベルニュからワインを指定してきているのだが、選んだ「nv-V de T Gamay- Les Puys -Domaine3 Peyra」という赤。これ、生産者が添加物を入れず創っているそうで、オリは多いからデキャンティングだわ、色はほとんどロゼだわ。そして、その味といったら、まあ、私今までこの手を料理屋で飲んだことはないようなシロモノ。近いところでいえば、この間、麻布十番の岩盤浴のアフターで出された、梅クエン酸健康飲料に近い。ソムリエと思わず、話し込んじゃったぐらいだ。
 
 実は、私、シャンパンでアントレを半分食べていて、途中からこの赤に切り替えたのだが、全然料理の印象が違ったものになってくる。要するに、ワインが入って、一皿一皿が堰を切ったように饒舌になるという感じ。
 
 メインは「牛ホホ肉のスフレ カカオの香り」。これはひたすらトロトロの牛煮込みにカカオスフレが奉仕するという、見た目のダイナミックさとは違って優しい一品。とまた、ここで例の赤、が登場するわけだが、なんだが、全く合いそうもない梅系酸味とこの優しい濃厚さが、合わなくはない、のだ。ワインのミネラル分と無添加故のスカッとした酔い心地が利いてくる。(この料理にボルドーの赤は普通で安心だろうけど、きっと印象に残らないだろう)
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この一品、食べ始めの第一印象よりも、食べ進んで、ワインとも溶け合って、ついに最後の一口で「ああ、別れがたい」という感動を残す。この引っ張り感は、ミシェル・トロワグロの料理で受けた印象と似ている。人でもいるでしょ? 最初はどうって事無かったのに、気がつくと大切な人間になっているような人。
 地元チーズをはさんで、デセールは「シガレット クルスティン ソルベ ニンジン-オレンジ」。これはまあ、ひたすら明るく、可愛いお味だが、やはり柑橘系の酸味がさわやかで、ここにきて、例の赤の酸味の了解が取れたのでした。
 
 フレデリック・クールソル。
 料理に思想を通す、のは、フランス料理のお家芸だが、この、とんでもない地元ワインから発想して、その最大の「付け合わせ」として料理を考えたのではないか、というほどの冒険家ぶりは、私は大好き! たとえていうならば、「ワインに引かれて、すべての料理は善光寺参りができるのか」という逆転の発想ですかね。この日は、ラスト日だったのだが、もっと早くにこれ食べていたら、ディナーも行ってましたね。なんだか、パン粉を敷き詰めたおもしろい肉料理があったみたいで誠に残念。彼の本拠地のホテルにぜひ、行ってみたいものだ。
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2007年5月2日水曜日

野宮真貴リサイタル「JOY」のソーカツかつ思い出



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いやいや、ずっとお休みしていたブログですが、再開します。GWはあえて自宅で整理整頓修行(お釈迦様は修行途中、悪魔がいろんな誘惑を仕掛けてきて大変だったらしいが、私の場合も同じ事。何でああ発見されるかね。五年前のビックコミックや焼き肉特集のダンチュウや「ソウルとんねるず」のビデオがっ!)なのだが、がんばって書くぞー。

 一ヶ月以上前になってしまいましたが、不肖私がプロデュースを行った、野宮真貴リサイタル「JOY」の総括かつ思い出ですね。考えてみれば、高校生時分、時代でいえば70年代後半、初の海外旅行に出向いたパリで、「ムーランルージュ」に心神喪失になって以来、「キレイなお姉ちゃんが洒落た音楽で歌い踊る大人のショー」というものに囚われ続けてきた自分にとって、ある意味、夢の実現だったわけで、ともあれ、無事に済み、お褒めの言葉いただいたりして、ようやっと肩の荷が下りた、という感じでしょうか。ロマンチカの林巻子演出故に今回、初めて引き出された、野宮さんの気高くハイプなお色気。あれですよ。石ノ森章太郎描くところの、「家畜人ヤプー」のポーリーン・ジャンセンそっくり。野宮さんがその時、まとっていたのは、衣装を担当した、マッセ・メンシュの黒のシースルーのボウタイブラウスですが、これ、マッセには珍しくフリーサイズに近いので、不肖、私も購入。体型的には、伊丹十三の「お葬式」における喪服の高瀬春菜感はいなめませんがね。
 月刊TITLe誌の写真特集の取材もかねて、録音のため音楽監督、リチャード・キャメロンの本拠地のベルリンに行ったりもしました。彼の手になる新「Twiggy Twiggy」は、映画「ライフ・アクアティック」の音楽で、DEVOのポール・マザースバーグが打ち出した、脱力音響サウンドのオマージュっぽくて、格好良かったなあ。女優のショウビズにありがちな「クライマックスやカタルシスを与えない」感じ、抜き、の感覚は、今回のような非予定調和コラボの醍醐味とも言えます。
 すでに、来年の第二弾に向けて動き出しています。
 あっ、ベルリン日記とかは、こちらへどーぞ。そういえば、美人寿司とかもやったなー。
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2006年12月13日水曜日

第2回 美人寿司の夜、ご報告です



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この師走のはじめ、12月5日(火)点灯式に湧く、表参道ヒルズにて開催された、第2回「美人寿司の夜」。ポストクラブ時代のクラブの在り方をシアターや様々な観点から提案し、実験する試みの第2弾は、<和モノ>。京都は島原、輪違屋の如月太夫と雅楽道友会の演奏、鈴木寅二啓之の「顔の美術」などの強力コンテンツがお目見え。恒例の、寿司は・・・。派手派手キモノ姿と日本髪にて世界のクラブや、パーティにお呼ばれしては寿司を握る、おもしろ寿司パフォーマンス、ぶりは、今回rainbow roll sushiさんとのコラボにて、バージョンアップ。
 体感という意味では、京都の老舗、小田章の協力を得た着物のお披露目と仕掛けも加わって、着物と、着物というステキな“拘束着”を身にまといつつの異世界が出現したのでした。
 さて、太夫について、です。
この日、ご存知の通り、表参道はの名の下に、行灯のようなモダン&ジャパニーズのイルミネーションが点灯。そこに、突如、禿の少女ふたりと傘持ちを引き連れた太夫が登場。そのゆったりとした内八文字の歩みとゴージャスで幽玄な雰囲気は表参道を一瞬にして、いにしえの日本へとタイムスリップ。(この模様は6日の読売、東京新聞の一面に掲載されました)


Dochu_2Tayu1 もちろん、パーティー中の花型は道中と、かしの式。
ここで、ちょっとうんちくを披露。太夫とは、花街の最高位の女性のこと。舞踊、芸事だけでなく、香道、茶道、和歌、俳諧など、武家、公家、上層町人の相手をつとめるだけの高い教養を持ち、正五位の官位を持つ格式を誇る存在。太夫が呼ばれた揚屋(今で云う宴席の場)に向かう時の道中、ふたりの禿を先に立て、内八文字を踏んで練り歩くのが「太夫道中」。お客と対面する時の儀式が「かしの式」で、暗がりの中から現れ出でるその出で立ち、舞や胡弓の響きは幽玄そのもの。島原の輪違屋では、木造の雰囲気のある館で、ロウソクの明かりの下で行なわれますが、ここでは広さと空間を生かした照明でムード満点。この複雑な結髪は全て自前のヘア。胡弓の響き、錦の装束、所作の全て・・・。全てが独特の美意識に貫かれており、日本文化、というものの持つ、スタイルの多様性を感じさせてくれます。

 さてさて、この度の目玉のもうひとつである、雅楽。
 ワールドミュージックと言われる、非西洋音楽の中には、倍音やいわゆる不協和音の響きを持つものが少なくないのですが、中でも雅楽はその独特のタイム感覚といい、構築のされ方といい非常に美しいもののひとつ。1200年の歴史を誇る世界最古の合奏音楽であるとともに、その響きは、最先端のクラブミュージックに慣れ親しんだ耳にも、相当刺激的に響き渡ります。演奏は<雅楽道友会>。400年前、京都の帰化人系氏族・秦 河勝の次男、聖徳太子の舎人長をつとめた家系である、故・薗廣教氏を中心に有志が集い、民間への雅楽の普及および技術向上を目的とし活動を続けている気鋭の集団です。

Gagaku1Gagaku2今回の演奏は、『管絃』。雅楽において最もオーソドックスな演奏形態で、三管(鳳笙、篳篥、龍笛)、三鼓(鞨鼓、太鼓、鉦鼓)、両絃(楽琵琶、楽箏)にて演奏され、調子は、現在は壱越調(いちこつちょう)、平調(ひょうじょう)、双調(そうじょう)、黄鐘調(おうしきちょう)、盤渉調(ばんしきちょう)、太食調(たいしきちょう)の六調子で、「平調音取(ひょうじょうねとり)」、教科書に載っていたりもする「越殿楽」。鳥のようなお面をかぶった踊り手が加わっての、『舞楽』も披露。1400年前に由来する、舞楽の中でも最も有名な「陵 王 【りょうおう】」が披露されました。実はこの雅楽、もとは、大陸から仏教とともに渡ってきたもの。楽器の調べやその仮面劇は遠い、インドやバリ島あたりの影響を感じますし、これ、もっと世の中に、音楽として知られてもらいたいもののひとつです。もちろん、乃木神社のような静寂の中で聴くのもよし、今回のように祭りのざわめきの中に音が“在る”というのもひとつ、本来の姿でもあるのです。

Kao<顔の美術>の鈴木寅二啓之さんは、様々なメイクアップ表現を模索する中、現在は現代美術家としても活動している。人々の顔、を顔の持ち主とともにコミュニケートして作り上げる=顔の表現者が「美しい顔」へと向かう、世界でも他に類をみない新しい表現を行っている。今回は、パーティーの趣旨に賛同していただき、ブースを展開していただきました。顔に和紙のラインが一本はいるだけで、人の表情と心は華やぎを得ます。お祭りの時に、白いおしろいを鼻に塗る、という風習を思い出しました。これ、一般のお客さんは、尻込みしちゃうかな、というのは杞憂でした。辻が花の素晴らしい着物を着たおばさまが童女のように、頬に赤いラインを走らせているのに、ちょいと感動!

 「美人寿司の夜」といえば、お馴染みの寿司関係。第1回目は「サクラバラちらし」でしたが、今回は会場が表参道ヒルズということもあって、rainbow roll sushiさんとのコラボが実現。派手派手キモノ姿と日本髪にて世界のクラブや、パーティにお呼ばれしては寿司を握る、おもしろ寿司パフォーマンス、美人寿司。かたや、アメリカに渡り、自由な発想のもとで新しいスタイルを得てお里帰りした“ロールスシ”を主体にした、スタイリッシュで独創的な寿司と空間が評判の、rainbow roll sushiさんとの出会いですが、驚き×ユーモア×革新、というお題を見事に遊んでいただきました。個人的には、やはりあんこの巻きスシが秀逸。あんこって、小豆と砂糖なのですが、これ、個人的にもこれ溶いてピースープの味付けにしたり、パンに塗って食べてもおいしい、わりと使える食材として注目していたのですがまさか、こう来るとは、のレシピ。それをも飲み込む酢飯の実力にも感服でした。
 
Jpg● イクラ宝石ゴージャスかっぱロールスシ ージャンニ・ベルサーチの思い出風味ー
この季節は築地にどーっとイクラが出回る旬。単なる魚卵なのに、宝石のような造形美を誇るイクラには、香りが爽やかで強めのハーブのリルをトッピング。スモークサーモンには、ジェノベーゼソースのバジルが利いて、ミラノコレクションはベルサーチの楽屋裏にて、シャンパンの乾杯とともに食したい、という一品。

Photo_2●美人肌コラーゲン穴子ロールスシ ー美人へのお手軽な道風味ー
 
コラーゲンたっぷりの穴子とジュレ。さらに繊維質を取れる、かんぴょうも加え、オクラのペクチンとムチンにて整腸作用、糸唐辛子のカプサイシンでダイエット、練りゴマにてストレス撃退、という美人仕様。あっ、オリジナルのバルサミコ酢ソースもかなりイケます。ちなみに、酢は抗酸化作用でやっぱり美肌、ね。 


Photo_6●あんこ、というパンク素材格闘ロールスシ ーやったもん勝ち風味ー
美人寿司のモットー、驚きとユーモア、そして革新、というお題を、レインボーさん、こんな剛速球で返してくれました。「あんこ、豆とお砂糖だから、わりといろんな味と合うんだよね」とシェフ。確かに、今のグルメ最先端は“甘さ”にフォーカスされています。「エルブジ」のフェラン氏にもぜひ、味わっていただきたい一品。

500人近い人々にご来場いただきまして・・・

Tokion開演前、雑誌『TOKION』の撮影。太夫さん、ふたりの禿ちゃんに加えて、遊びにきていた野宮真貴さんやラグフェアーの奥村くん、ロマンチカのみなさんにも急遽参加していただき、なんとも強烈な集合写真になっちゃいました。


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ロマンチカの横町さんと画家の金子國義さん。
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2006年11月18日土曜日

キモノで感じるジャパン 太夫と雅楽



和モノはこのところずーっとブームである。
 「若者たちにとってはすでに和風は、エスニック」などと、日経ビジネスあたりに言われて久しいが、たしかにユカタは見ている限り、毎夏、倍々ゲームのように着用率が増えている。特に今年は、男ユカタは確かに目立ってた。渋谷のマルイの街頭ポスターでm-floのバーバルがユカタの広告でフューチャーされていたからなのか、この夏、ガーッと盛り上がっていた、レゲエ関係にも裾野は広がり、クールと”いなせ”を全身にまとった、オトコたちが花火の夜には各地の路上を埋めたのである。
 とりあえず、和モノに関しては、今の若者よりもかなり研鑽を積んでいる私ではあるが、この二、三年の間に、初めて出会い、心の底から驚き感動した、ニッポンの伝統文化がある。ひとつは、京都は島原での”太夫遊び”。場所は日本最古の遊郭跡と言われる島原で、新選組隊士と関わりの深い置屋である「輪違屋(わちがいや)」。太夫とは、花街の最高位であり、舞踊、芸事だけでなく、香道、茶道、和歌、俳諧など、武家、公家、上層町人の相手をつとめるだけの高い教養を存在。その伝統は今も受け継がれていて、舞子遊びをしたことはあっても、「一見さんお断り」の京都の中でも、体験することが難しいもののひとつを、ひょんなことから体験。
 いやー、それは凄かったですよ。谷崎潤一郎の『陰翳礼讃』ではないが、ろうそくの光だけの暗がりの廊下から、おかっぱ頭に赤いキモノの少女禿ふたりを先頭に金襴緞子の固まりがぬうっとふすまから座敷に入ってくる様子は、たとえていうなら、デビット・リンチか幽玄界からの使者、ってな感じ。お座敷に入ってからはかつてはお客との見初めの儀式であった「かしの式」と呼ばれる所作が行われる。歌舞音曲からは胡弓が弾かれるのだが、その響きはまるで異界からの音波のよう。
 もうひとつは、雅楽。
 私のサラリーマン時代のセンパイが何を思ったのか、八年前に雅楽のプレイヤーを仕事の傍らにやり始めて、彼の所属する「雅楽道友会」の乃木神社での演奏会を聞きに行ったのが運のつき。もちろん、雅楽、これまでにも知っていましたよ。弟の明治神宮での結婚式でも、体験しているしね。しかし、音楽として正対して聴いた雅楽は、倍音やタイム間の取り方が異様にスリリングかつカッコよくて、ヤバい。特に「調子」という部分の倍音のレゾナンスはとんでもないサイケデリック・ミュージックなのだ。踊りも披露されるのだが、このときの衣装がまた、番とっぴょうしもないときのコムデギャルソンのごとくのアヴァンギャルド!
 
 このふたつの共通点は、日常を超え、アナザーワールドを体感させてくれるということにつきる。そして、これって、驚くほどナマの体験が出来にくいんですよ。フツー。というわけで、これ、ふたつを思い切って同時開催企画しちゃったのが、ポストクラブ時代の寿司イベントとして今年スタートした「美人寿司の夜」の第二弾。会場は今年<表参道akarium>プロジェクトとして、和風のライトアップに輝く、表参道のド真ん中に鎮座する、「表参道ヒルズ」。
 
キモノを着てくると特典もあるので、12月5日(火)には、ぜひ、足を運んでちょうだいな。
 もちろん、美人寿司も食べ放題です。
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2006年8月8日火曜日

六本木ヒルズプラネタリウム、プロデュースの巻



六本木ヒルズの展望台に大平貴之氏のプラネタリウム、メガスターを持ち込む、という企画、題して「星空の庭園 プラネタリウム・アフリカーナ」のプロデュースを丸山泰道さんと行った。
 いやいやー、スポンサー探し、制作などなど、時間がない中での大変にスリリングなお仕事。たとえるとしたら、野球よりもサッカー、でしたね。守りながら攻めるっつーか、オウンゴールもありしちゃったり、という。
 天井高約11メートルの展望台空間(渋谷・新宿方面)の天井と壁に数百万個あまりの南半球の星々が映され、それが夜景の夜空に同化していく、という目論み。
それならば、どういう環境でそれを見たいか、といったら、「靴を脱いで寝っ転がる」でしょう。アフリカの砂漠、サバンナを見立てたでかい丘を真ん中に作って、みなさんに靴を脱いで寝っ転がってもらう。人工芝のザラザラがなんだか肌を心地よく刺激し、地面からは虫の声が聞こえ(特殊なスピーカーを貼り付けているのです)、官能的に薫る夜の花々、イランイランの匂いが漂うといった、五感メロメロの一大ロマンチック仕様を今回は実現。
 打ち上げの飲み会で大平さん、「今回は、少子化に一矢報いた企画ですね」、なーんて感想をおっしゃっていた。いやいや、大平さんご本人は、とーっても面白い方。敬語のハキハキしたいい方に独特の笑いのフラがあり、彼のコメントの目的はほとんどすべて、笑いに捧げられていると言っても過言ではない。
なんだか、モンティーパイソンのグレアム・チャップマンに似た芸風なんだよなー。
オープンから一週間、おかげさまで動員も上々という。
 プラネタリウム独特の教育的演出もなく、ただただ、環境を楽しんでもらうという、言うなれば「非サービス」な設置だけに不安もあったが、結構、みなさん、星々と静かな脳内コミュニケーションの境地にどっぷり浸かっているらしい。
 八月末まで開催中なので、ぜひどうぞ。
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2006年7月12日水曜日

イビサ報告し忘れてましたね!



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そうそう、バルセロナの帰り、ちょこっとイビサに寄ったんですよ。二年ぶりに!
シーズンインの六月ですんで、<アムネシア>でのスヴェン・バースのパーティー<コクーン>のオーブニングに立ちあえたりもしたんですが、クラブアイランドリゾートとしての安定感はもはや不動。
バルサもそうだったのですが、今スペインはバブルの真っ最中で、異様に店が出来ている。ラジオ局カデナ・シェンのある裏通りのすすぼけたカフェもピカピカになっちゃうし、サリーナスのトップレス海岸脇にもリゾートホテルが建築中だしね。
そして、何よりびっくりしたのが、ダルツビラという旧市街遺跡の入り口近くのマーケットに面した一等地に寿司屋が出来ていたこと。
六年前に行ったときは、ダルツビラ内の一角にヒッピーがやっている怪しげな寿司屋にいろいろと寿司指南をしたのがウソのようです。
味と値段は? という問いにはノーコメント。ただし、その”強度”は、三十分のランチタイム、二万五千円の<すきやばし次郎>と同様と行っておく・・・。
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しかしながら、私が世界一だと思う「MANUEL RIBES」(tel.971-39 65 63)のパエリャは永遠不滅。塩と水が凄いんですよ、ここは。私は心情的に”行きつけ”が好きではないのだが、思えば、意思のある”行きつけ”って、世界中でここだけかも知れない。
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Devid Morenoを尋ねてラジオ局に行って、生出演もしました。話題は日本語で「日本の過ちを犯すな、イビサのバブル」っていう感じ。Photo_5
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